「株式会社だいごの丘」は、風車のオブジェがトレードマーク
そこは県南の美味の発信源
「いぶりがっこは秋田の冬がおいしくするんです。キーンとする寒さ、雑菌の少ないきれいな空気があるから、ゆっくり丁寧に発酵させることができるんですね。近年は暖冬の影響から冬らしい景色の広がる時期が遅れ気味で、発酵が急激に進まないよう調整するのが大変です」。
そう教えてくれたのは、株式会社だいごの丘営業経理部の山田敦子さん。同社は農業法人として発足した後、農家の収益向上と地域の雇用拡大を目指して本格的に6次産業化へ着手。今は自社生産した大根からいぶりがっこを作るほか、野菜や果物からさまざまな加工品を製造、販売しています。
本題から少し離れますが、同社が送り出す秋田の味はどれも本当に美味。増田町産のりんごで作るストレートジュース、燻した大根と野菜で作るいぶり福神漬け、秋田県南では古くから作られてきた茄子の花ずし、ほかにもいろいろ……とラインナップも多彩です。
大根を縄でしばり吊るす、昔ながらのスタイルで燻します
女性の経験と知恵が詰まった滋味
かつてアミューズメント施設だった大きな建物内の加工場では、地元の女性たちが大活躍。それぞれの持ち場で手際よく作業をこなしていきます。
「この地域には自分の家でも漬物を漬ける人が多いので、当社にも“始めからできる人”が自然と集まりました。みんな日常の延長のような感じで楽しく働いています」(山田さん)。
いぶりがっこの生産数は約2万本。女性たちが経験と知恵を持ち寄り、最終的に社長が材料の配合を調整して『だいごの丘の味』を決めたのだとか。甘塩っぱさがたまらない、秋田県南エリアのポピュラーな味付けになっています。
県南のさまざまな家庭の味から生まれたいぶりがっこ、ぜひご賞味ください!