秋田の発酵食文化を知るコラム「発酵哲学」


発酵食品に溢れる、秋田の食文化。
秋田で暮らし、「発酵」に40年近く携わってきた研究家の協力の元、少し踏み込んだ内容から日常生活でもためになる話題まで、たくさんの方々に秋田の発酵食品に興味を持っていただけるよう、そして気楽な読み物としてお楽しみいただけるよう毎月少しずつ、いぶりがっこをはじめとした「秋田の食文化」を紹介していきます!
秋田の食探究コラム、「発酵哲学」。どうぞ宜しくお願いいたします。
今回は、もしかしたら、秋田の食文化がもたらしているんじゃないかと思われる、「秋田美人」や「秋田の学生の頭の良さ」について。今後の発酵コラムの前置きとしてご紹介いたします。

発酵哲学 コラムニストプロフィール

71歳(2022年現在)。学生のころから、発酵食品が大好きで、大学では醸造学を専攻。実家の醤油味噌醸造元を継がずに秋田県の研究機関で発酵に関わる研究し、今の秋田県のいぶりがっこの流通額拡大に貢献した、と言われる「発酵の先生」。味や見た目以上に、化学(微生物の動きなど)が大好き。

Vol.04「日本三大魚醤「しょっつる」の食し方」

秋田県人でも「どうやって使おうか…」と迷ってしまう、特に若者はわからない人が大半、秋田県南地方の方々はほとんど使い方が分からない、それが「しょっつる」です。

でも、ほんのちょろっと垂らすだけで、料理の味がぐん、ぐん、ぐーんと高まります。
不思議ですね〜。

しょっつるラストは、料理へのしょっつるの活用方法についてです!

秋田の代表的な郷土料理として挙げられるのが、しょっつるかやき(貝焼き)が有名です。
ホタテ貝を用い一人鍋として供している。
季節の魚、きのこ、豆腐、ネギ、季節の山菜などを入れて食べる郷土色豊かな貝焼き料理でなんです。
具材に、ハタハタを用いた場合、「ハタハタのしょっつる貝焼き」なんて呼ばれています。

貝を利用して煮ることは優雅で、蓋がなくても良く煮えて、貝の白さと具である素材の色合いとがほどよく調和し、醤油や味噌と異なり煮つまっても魚の色や野菜、豆腐など材料の色合いが失われないなどしょっつるの長所といえるでしょう!

また、焼き肉のたれやそばつゆの隠し味、あるいは漬け物に利用することで味を引き立たせるなどの工夫もされています。

料理では、茶碗蒸しとの相性も良い。
最近は、イタリア料理などに用いられているようです。

そーいえば、しょっつる醸造で有名な諸井醸造がある男鹿市では、市を上げて「男鹿のしょっつる塩やきそば」なんていうのも秋田では人気のB級グルメなんです。

この前出張で東京に行ったときに和風オムライスなるメニューを頼んだら、ナンプラーみたいな調味料使ってたので、ご飯を炒める際の調味料としても合いそうですね。
使い方いろいろです!

このように、畜肉、魚介類を問わず素材のうま味と風味を引き出すなど特殊な効果があるように思える、まさに!!!「神の魚が醸す、魔法の一滴」なんです。

※私も70歳をすぎまして、いろんなしょっつる料理をいただきましたが、隠し味程度に入れられるカミさんのおでんは抜群です。

超不定期コラムですが、次回は、「いぶりがっこ」か「麹」について(どちらも原稿執筆中です)、秋田らしい話題をお伝えさせていただきます!!!